「世界標準の経営理論」入山章栄
意思決定の軸となる経営理論の集大成を3分で紹介
目次
一言紹介
長い研究を経て洗練された普遍的な経営学の理論がまとめられています。経済学、心理学、社会学を内包する経営学を学んでビジネスの羅針盤を手に入れましょう。
著者
入山 章栄
・三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関のコンサルティング
本の内容
Whyに答える理論は古びない
ビジネスにおける数多の現象を説明する選び抜かれた理論(Whyの回答)であれば現象が変わっても適応できます。変化の激しい世界で全ての現象にフレームワーク(Howの回答)を用意するのは現実的ではありません。
最新の経営理論は3分野で構成
1.経済学分野
人の合理性を前提とすることにより、数字で表記、計算できるため、論理的に厳密な表記が可能な分野。主に単純な戦略などの合理的な答えを出すときに助けになる。
例:競争理論の基本、ゲーム理論、エージェンシー理論、リアルオプション等
2.心理学分野
人の心理的な側面を基にした分野。
・マクロ心理学
主に人の認知(認知心理学)を基礎にした組織の学習・変化・イノベーションについての理論を示す分野。
例:知の探索・深化、組織の記憶・知識創造、組織の進化理論、ダイナミック・ケイパビリティ等
・ミクロ心理学
個人の心理に焦点を当てることによりリーダーシップ、モチベーション、感情、意思決定などを説明する理論。
例:リーダーシップ、モチベーション、認知バイアス、意思決定、センスメイキング等
3.社会学分野
ビジネスにおける人、組織のつながり、社会性のメカニズムを示す理論
例:ソーシャルネットワーク理論群、制度理論、組織エコロジー理論、レッドクイーン理論等
考えるのは自分
理論は思考の軸でしかありませんし、どうすればいいかには直接的には答えてくれません。頭のいい人たちが考えた、「意思決定のために有益な情報」の一つとして利用しましょう。
感想
経営の教科書
網羅的に経営学の理論について記載されており、非常に濃い内容でした。内容を把握できれば、経営に関しての小難しい話をしている人達に付いていけるようになると思います。一味違うビジネスマンを目指したいなら是非読んでみてください。
しっかり読み切るのは困難
難しい数式はほぼ無く、読みやすくはなっていますが、難しく感じやすい理論が凝縮されている本書は読み手の理解力と気力が問われると感じました。完璧に読み切るよりは一回サッと読んで、何かあったときに辞書的に使うと良いかもしれません。
今何をすべきか?
目次だけでも読んでみよう
本書の目次(or 当記事の例の用語)を読んでみて、わからない単語があれば少し調べましょう。完全に理解しなくてもどんな理論が存在しているかを把握するだけでも価値はあると思います。興味が出てきたら更に読み込んでみてください。